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唯一使った音楽、ティナ・ターナーへのオマージュ/映画『ジュリアン』本編映像

フランス映画界の新星グザヴィエ・ルグラン監督、衝撃のデビュー作『ジュリアン』。

物語の主人公は、離婚した父親アントワーヌと母親ミリアムの間で揺れ動く息子ジュリアン。まだ11歳の彼は母親を守るために必死で嘘をつき続けるが…。

家族の関係を描いた繊細な人間ドラマでありながら、張り詰めた緊張感が観る者を襲う傑作サスペンスである本作は、夫によるDVが原因で離婚したミリアムと息子ジュリアンを執拗に追いかける元夫アントワーヌの様に「ホラー映画よりも怖い!」といった感想が多く聞かれる。その演出の重要ポイントとして、「日常音を効果的に活かすため、あえて音楽を使わなかった」とメガホンをとったグザヴィエ・ルグラン監督は語っている。そう、本作はエンドロールを含め、“ある一場面”を除いてまったく音楽が使用されていない映画なのである。では反対に音楽が使われる、“一場面”にはどんな意味があるのか…。

この度解禁となった映像は、主人公の姉・ジョゼフィーヌがバンドのボーカルを務め、パーティーで歌を披露するという楽しげな雰囲気の場面。ここが本作の中で唯一音楽が使われるシーン。ジョゼフィーヌが歌うのは、ロックンロールの女王と称されるティナ・ターナーの代表曲のひとつ「プラウド・メアリー」。ティナと言えば、夫からのDV に苦しめられていたことを明かしており、そこから復活を遂げた女性としても知られ、ルグラン監督はこのシーンに「ティナ・ターナーへの敬意の意味を込めた」と話している。またこの曲は、「スローに始まり、だんだんテンポが加速していくところが本作の構成とも似ている」と、同曲を使用した経緯も明かしている。

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