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GHQ占領下に生産 幻の磁器人形ひっそり 瀬戸で発見

愛知県瀬戸市の陶磁器工場の倉庫から、約70年前に作られた「プラスチックレース人形」約100体が見つかった。戦後、連合国軍総司令部(GHQ)の占領下にあった日本から米国に輸出され、「幻の人形」とも言われる。同市の市民団体が人形のほこりや汚れを落とす作業を進め、近く展示公開する予定だ。
瀬戸市では、戦前から輸出用の陶磁製の置物(ノベルティー)を生産。戦時中に一時中断したが、戦後まもなく再開し大量生産された。「瀬戸ノベルティー」として海を渡り、戦後復興の足がかりとなった。瀬戸ノベルティ文化保存研究会の調査によると、プラスチックレース人形は、やきものでつくった人形本体に、樹脂で固めた布のレースをつける。物資や人手が乏しかった占領下で作られた。一方で、瀬戸ノベルティーの代表的商品の一つにレース人形があるが、レース部分も含めてすべてやきもので作り上げるため、最高峰の技術が必要だ。
見つかった人形は、ノベルティー製造の草分け的存在で、約30年前に操業を停止した「丸山陶器」(瀬戸市共栄通3丁目)の倉庫にあった。木箱4箱に入れられ、ほこりまみれで棚にあった。レースが外れたり、胴体が折れたりしたものもあったが、ほとんどが原形をとどめていた。貴婦人、淑女、バレリーナの3種類で大きさは5~18センチ。土台の裏側には丸山陶器のブランド名「Marulace」と「MADE IN OCCUPIED JAPAN」の記載がある。
1947~52年、日本からの輸出品はGHQの指示で「オキュパイド・ジャパン(占領下の日本)」と記すことが義務付けられた。
同社にあった資料などによると、製造技術は特許を取得。47年に「瀬戸陶磁器プラスチックレース人形協同組合」を設立し、加盟業者8社で47年から15年ほど製造された。これまでも米国から「里帰り」した美しいプラスチックレース人形はあるが、製造元で大量に見つかったのは珍しいという。
同社の先代社長加藤豊さんが「いつかみんなに見てもらいたい」と保管。その遺志を受け、妻由美子さんの許可を得て、3年前から同研究会が調べていた。

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